急成長を遂げたビジネスモデル設計とは:民泊サービスで起業したAirbnbが、わずか数年で業界トップになれた理由

同じ業界・業種なのに、創業して2~3年でつぶれてしまう会社もあれば、急成長を遂げる会社もあります。

いったいなぜこのような差が生まれてしまうのか・・・

一つの答えとして、ビジネスモデルの設計の違いが考えられます。

確かに「たまたま運が良かった」ということも要因として考えられるでしょう。ただ、もしその状態が数年続いているのであれば、事業が安定・継続するだけのビジネスモデルがしっかり確立されていると言えます。

ここでは、同じ業界・業種内で大きく差がついたビジネスモデルを検証してみようと思いますが、例として、今月2018年6月に住宅宿泊事業法が施工され、全国解禁となる「民泊」のビジネスモデルを扱ってみようと思います。

民泊事業者を想像してみると、自宅の空き部屋を一般的なホテルや旅館よりも旅行者に安く提供し、そこからコツコツ収益を得ている姿が思い浮かぶと思いますが、その一方で、今や民泊の世界的代名詞になったAirbnb社というベンチャー企業があります。その両者のビジネスモデルを比較しながら、どうしてこんなにも差がつくのか探ってみたいと思います。

空いてる部屋を旅行者に提供し、民泊を営む場合のビジネスモデル

民泊を始める場合、一般的に次のようなビジネスモデルになると思います。

あなたは自宅の空いている部屋を旅行者に提供する代わりに、旅行者はあなたに宿泊料金を支払うという、いたってシンプルなビジネスモデルです。シンプルなだけに、以下の点でとても簡単に事業を立ち上げることができます。

  • 空いてる部屋を整備するだけで始められ、仕入れ不要
  • 届出のみで、特に資格は要らない
  • 旅行者に対し、インターネット等を使って自分で宣伝

マンション等の規約で民泊が禁じられている場合もありますが、それがクリアされれば、特に資格もいらず、たった一人で始められます。自分でホームページを作って集客することで、これまで使われてなかった部屋が収益を生む商品に生まれ変わるのです。独立・起業するに最適なビジネスモデルと言えますね。

ただ、資格不要で誰でもできてしまうということは、参入障壁が低く、競合が増えるということにも繋がります。2020年の東京オリンピック前には首都圏でブームになることが予想され、近所の民泊事業者とどうやって差別化するか悩み、最悪価格競争になることも予想されます。

このビジネスモデルだと、残念ながらユニコーン企業と呼ばれる程の大きな成長を遂げる可能性は低いでしょう。

Airbnb社のビジネスモデル

民泊サービスで世界的に有名なのが、アメリカに本社のあるAirbnb社です。

起業当初の2007年、創業者のブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアの二人は、B&B(エアベッド&ブレックファスト)の初期コンセプトは持っていながらも、サンフランシスコの自宅の居間をB&Bとして活用し、収益を上げていたようです。翌年2008年、ネイサン・ブレチャジックが加わり、情報技術者の彼がサイトを立ち上げた後、Airbnb社は2010年に70万泊を扱うほど急成長し、2011年には海外展開を果たしました。

ユニコーン企業と評価されるほど急激な成長を遂げたAirbnb社のビジネスモデルですが、次のようになります。

民泊サービスを提供するといっても、Airbnb社が宿泊施設を持って管理するわけではありません。すでに民泊を行っている民泊事業者と、泊まる場所を探している旅行者をマッチングさせる、一種のプラットフォームビジネスと言えるでしょう。

最初に見た民泊ビジネスモデルと同じように、この事業立ち上げの条件を見てみましょう。

  • 民泊事業者と組むため、仕入れ不要
  • 特別な資格はいらず、さらに民泊事業者としての届出も不要
  • 旅行者に対し、インターネットで自分で宣伝

最初の民泊ビジネスモデルと条件はほとんど同じで、起業するのに最適なビジネスモデルと言えるでしょう(だから、たった3人で創業できたと言えます)。

大きく違うのは、自分で民泊サービスを提供せず、民泊事業者と組むという点です。

最初のビジネスモデルでは、ブームが到来すればまわりは敵だらけになり、旅行者の奪い合いです。それに対しAirbnb社は、民泊サービスを提供するという目的は同じですが、民泊事業者を自分のパートナーとしてサービスに取り込んでしまうというビジネスモデルなのです。

最初のビジネスモデルが民泊業界という土俵の内側で戦っている一方、Airbnb社はその土俵全体を見渡す位置に立っていると言えます。

仮説:もしAirbnb社が大手不動産企業と組み、大規模な民泊を行っていたら、マーケットリーダーになれたか

民泊そのものは21世紀に突如登場したサービスというわけではなく、英語圏ではすでに存在していた小規模な宿泊サービスの一つです。

この民泊でもし事業を始めようと思った場合、最初に見たビジネスモデルでは「よし、自分も空き部屋を有効活用し、そこで収益を得るぞ」という気持ちで、民泊マーケットという土俵に上がることになります。

一方Airbnb社は、既存の民泊サービスを、インターネット技術を使ったマッチングビジネスと融合させ、新たな市場を生み出しましたのです。

ところで、仮にAirbnb社が不動産業界に精通していたらどうでしょう。もしかしたら大手不動産業者と組み、空室の多いアパートの部屋を用途変更して、大規模な民泊ビジネスを始めたかもしれません。

大手企業の資本力を使えば、広告や宣伝などを効率的に活用し、個人規模ではできない価格帯でサービスを始めることも可能です。ただ、個人規模の民泊事業者に勝ったとしても、他の大手不動産業者が民泊事業に乗り出してきて、さらに低い価格帯で差別化してきたらどうでしょう。それに対抗するために競合分析し、さらに差別化戦略で戦う、そうこうしているうちに別の会社が出てきて、また新しい特色を出す・・・

この様な戦い方では、どんなに資本力があっても、結局のところ同じ土俵で戦っているにすぎません。

同じ土俵での戦いというのは、業界内で相手を蹴落として自分がポジションをとるために、延々と続く差別化戦略です。それでも業界上位を取れていれば良いのですが、社会構造が変わったりすると、最悪業界全体が崩れてしまう可能性もあるのです。

Airbnb社はその土俵には立ちませんでした。そして、民泊とインターネットのマッチングビジネスを融合させ、インターネット上に民泊プラットフォームを生み出したのです。

そうなると、既存の民泊事業者にとってAirbnb社は競合ではなく、自分の部屋を旅行者に紹介し、集客の協力をしてくれるパートナーになるのです。その結果、既存企業と競争するのではなく、協力し合える関係を築くことができるわけです。まさにビジネスでの土俵が変わったと言えるでしょう。

さらにAirbnb社は、その時点で民泊業界では一社も競合がいないことになります。だからこそ、「民泊といえばAirbnb」と思い浮かべられるほど、民泊業界でのマーケットリーダーになれたわけです。

Airbnb社のような「競合ゼロのビジネスモデル」を考えるときのマインドセット

「競合ゼロのビジネスモデル」と聞くと、MBAや経営コンサルタントといった、いわゆる経営のプロが考える領域のように感じるかもしれませんが、Airbnb創業者三人は、美大生と情報技術者という、経営方面ではまったくの素人と言えます。

彼らが行ったのは、B&Bという小規模宿泊サービスと、インターネットを使ったマッチングモデルを組み合わせたにすぎません。

しかしながら、このサービスの出現により、世界中の人々の旅行の宿泊スタイルが一変したのも事実です。

イノベーションというのは、AIや自動運転のような技術的目新しさばかりではありません。すでに存在している何かと何かを組み合わせたことで、人々のライフスタイルを変えてしまうような競合ゼロのビジネスモデルを生み出すことができるのです。

アイデア発想の権威であり、「アイデアのつくり方」の著者であるジェームズ・W・ヤングは、次のように言っています。

アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない

このことを踏まえてみると、次の製品やサービスがどのように発想されたか(何の組み合わせなのか)、それがなぜ急速に成長したか、想像できるでしょう。

  • Uber社の配車サービス
  • メルカリの個人間取引サービス

そして、こういったビジネスモデルを発想し、設計することは、MBAや経営コンサルタントのような経営のプロでなくても、Airbnb創業者の様に、誰にでも可能なのです。

ビジネスモデルの設計方法にご興味のある方へ

これまでの分析方法は、一般社団法人シェア・ブレイン・ビジネス・スクール代表の中山匡が開発した「ビジネスモデル・デザイナー🄬」という手法を用いています。

ビジネスモデル・デザイナー🄬については、中山匡著『失敗をゼロにする 起業のバイブル』でもお読みいただくことができます。

当NOOKもビジネスモデル・デザイナー🄬として、シェア・ブレイン・ビジネス・スクール主催の「ビジネスモデル・デザイナー🄬認定プロジェクト」に参加しながら、普段より起業家育成や経営者の事業支援を行っています。

ビジネスモデルを設計するための7ステップ

事業支援にあたり、具体的に次のようなステップでビジネスモデル設計を行います。

  1. ビジネスモデルの「型」とアイディア核融合の概要把握
  2. すべての「型」の種類の把握
  3. 最適な「型」の選択
  4. 自社コア・テクノロジーと「型」の融合
  5. 競合ゼロ化
  6. 収益モデル設計
  7. 小資本での立ち上げ

この手法については、一般社団法人シェア・ブレイン・ビジネス・スクールが提供する「ビジネスモデル・デザイナー🄬認定講座」を通じて学ぶことができます。

認定講座については、ファイナンシャルプランナーや簿記の資格のように、3級、2級基礎、2級実践、1級、そしてスペシャリストというように体系づけられています。

本ページで分析した「競合ゼロ」を生み出すビジネスモデルの手法については、3級講座で学ぶことができますが、当NOOKのホームページでは、上記3級講座と同じ内容を、メールマガジンを活用した無料通信講座という形でご用意しています。

通信講座では、「競合ゼロ」を生み出す「アイディア核融合」のメソッドを知ることができます

メールを使った無料通信講座では、あなたが自らビジネスのアイディアを考えるよう、以下のような内容をお届けしています。

■ビデオを1本も持っていないのに、レンタルビデオ屋が経営できる

今のように、オンラインでの動画視聴が当たり前になる前の時期のことですが、私のクライアントさんの間でも、かなり研究の対象になったことのある評判の高いビジネスモデルに、

「自前の資産を一切持たずに行うレンタルビデオ屋」

というものがありました。

レンタルビデオ屋をやろと思ったら、普通は、大量のビデオ、DVD、CD等を高額の資金を投じて、自前で揃えなければなりません。

しかし、そういう方法をとらず、

「既にレンタルビデオ屋を経営している方からビデオを
ノー・リスクで借りて、それを自分の顧客にレンタルする」

というビジネスモデルで成功している例がありました。

なぜ、このようなモデルが成立するかと言うと、既存のレンタルビデオ屋にとっても、ビデオが借りられずに、お店に残ってしまうのは機会損失だからです。

もし、自分に代わって、ビデオを借りる人を探してくれる人がいるなら、当然、それは、チャネル(集客ルート)の拡大につながるため、多少の手数料を払ってでも、手に入れたいことでしょう。

(中略)

では、この事例を使って、「アイデアの核融合」を起こしてみると、どんなアイデアが考えられるでしょうか?

※ 無料通信講座「03. アイデア核融合を容易に引き起こす2つの「核」の見つけ方」より抜粋

アイディアですので、唯一の正解というはないので、思いついたらメルマガで指定の連絡先までぜひお送りください。あなたがお考えになったビジネスモデルのアイディアを、ビジネスモデル・デザイナー🄬の手法でお答えさせていただきます。

ご関心のある方は、下記フォームから3級講座にお申込みください。

3級講座(無料通信講座)お申し込みフォーム

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