nookからの提案

下請けクリエイターとして活動している方へ

はじめまして。nook代表の 杉﨑 晃広(すぎさき あきひろ) です。[プロフィール

20年以上、クリエイションの現場に携わってきましたが、従業員数名の制作会社の経営者や、個人事業主として活躍されているクリエイターの方々から相談を受けるようになり、業界の動向を見渡しながら、クリエイター向けビジネスモデルを考えるようになりました。

下請けマインドが作り上げた業界カースト

私のところに相談にくる方は、広告業界やIT業界の下請け的な立場に立たされ、お仕事をしています。皆さん、元請けから値段を下げてくれと要求ばかりされると悩んでいらっしゃいますね。

要因として、クラウドソーシングの台頭により、格安で仕事を請け負う個人クリエイターが急増したことにあると考えています。

個人事業主のクリエイターなら、そういった格安クリエイターに対抗することは、体制的に可能かもしれません。ただ、売上は減るので、数をこなすことになり、生活リズムはあきらかに変わると思います。

制作会社となると、格安下請けクリエイターと競うわけですから、従業員を切って体制を同じくし、経営者自ら作業を行うしかなくなるでしょう。でも、事務所や経費、税金を考えると、赤字です。お金を払って仕事をする状態になりますね。

そのような状況が続くと、次の2つの選択肢が頭に浮かんできます。

  • 廃業し、とりあえず再就職
  • 自分の下請けを開拓

前者を選択し、うまく就職できれば、確かに下請けの苦しい環境から解放されるでしょう。しかし、その会社の中にいる社員にとっては新参者なので、古株の方々より能力が優れていたとしても、最初は末端の作業に位置づけられます(メンタルな強さが必要です)。

後者を選択した場合、利益を出すには、自分の下請けとなるクリエイターへの支払い額を下げる必要があります。自分の段階でかなり安いのに、それよりも安い金額で引き受ける業者があるのかと不安に思うかもしれませんが、クラウドソーシングで募集をかけると、不思議と提案が集まってくるのです。

ただ、一度でも格安下請けを使った制作フローで納品まで完了するのを経験してしまうと、「これでもまぁまぁいけるなぁ」と思い、これまでは受けられなかったような安い案件でも請け、とにかく受注を増やすようになります。これまでのクリエイションから格安下請けクリエイターたちのマネジメントをこなし、仕事の主なツールはメーラー、名刺の肩書もいつの間にか「プロジェクトマネージャー」とか「ディレクター」に変わっていきます。

このように下請けは多重構造化し、クリエイションの世界で生き残れるのは、制作ブローカーとなります。元請けは下請けに案件を丸投げし、下請けは孫請けに格安で作業させる・・・業界カーストはこうやって築き上げられていきます。

いつかは消滅する制作ブローカー

制作ブローカー化したクリエイターは、リンダ・グラットンが『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』で描いたジルのような、細分化された時間を過ごすようになります。「自分はクリエイターであり、スキルは失われていない」と思っていても、クリエイターに必要な素養である、スキル向上のための努力や学習の機会、アイディアを発想する力は確実に失われていきます。

私は、そういった制作ブローカーは長続きしないと考えています。また、その制作ブローカーの元で作業する下請けクリエイターも同様にいなくなると思います。理由は以下の2つです。

一つ目は、海外への発注が本格化する点です。広告業界やIT業界には、すでにゼネコン的企業が地位を確立していますが、そういった企業の社員の英語力の向上により、人件費の高い日本国内から、東南アジアへの発注が加速するでしょう。

二つ目は、AIによるマネジメントです。下請けマネジメントをするのにいちいちスケジューラーを立ち上げる必要もなく、さらに言語の壁も関係なくなるため、クラウドソーシングと連携し、安い労働力を使ったチームが効率良くできあがります。

案件を回すだけの仕事は消滅し、制作ブローカーも、国内の格安下請けも、いずれ廃業となるでしょう。

クリエイターのあなたに提案

クリエイターという職業を選んだあなたは、もともと何かを生み出すのが好きだったと思います。そのために、多くの本を読み、いろいろな場所に行き、観察し、人と議論を交わしたはずです。

そこであなたに提案です。

  1. 一緒に勉強会や読書会をやりませんか?
  2. クリエイティブなライフスタイルを取り戻し、クリエイターとしてのセルフイメージを再構築しませんか?
  3. クリエイターとしてのスキルを活かし、クライアントのビジネスパートナーとして仕事ができるビジネスモデルを本気で考えませんか?

これをやれば、本当に業界カーストから抜け出せるのかと、不信に思われるかもしれません。ただ、私自身、上記を実践したことで、セルフイメージが上がり、リポジショニングできました(個人事業主ではありますが、会社の元請けパートナーとして現時点で活動しています)。また、新しい仲間との出会いから多くの刺激を受け、様々な経験を短期間で得ることができました。

この提案を実現するのに必要な場づくりとして、NOOKはアクションを起こしていきます。ぜひこの場に参加してみてください。クリエイターとしてのあなたが変わることで、業界の構造を変えることができるかもしれません。